育星舎 代表ブログ

京都市にある私塾教育・育星舎グループ代表のブログです
カバゴン その2

その頃有名中学への合格実績も多少出だしていた。それをチラシで強調できないだろうか。またネームバリューのあるカバゴン阿部進が理科実験を見せる企画はインパクトを与えないだろうか。

 

1992年春、新教室は地域的にも離れていたこともあり、新聞の折り込みチラシは今までの数倍の規模で入れることになった。一面には理科実験教室として阿部進氏の顔写真、片面には学習部門として私の顔写真を載せた。

 

私の顔写真の掲載はまさに「清水の舞台」だった。私は弁護士である父の後を継ぐべく大学の法学部に入学したが中退してフリーターになった。実家や出身小学・中学・高校も近い地域で自分の顔を晒すのはかなりの抵抗感があった。

 

しかし、ここは一大勝負の時だ。「学習塾の仕事に堂々と自信をもって自分を前面に押し出さなければならない」と腹をくくった。また成功へ験をかつぎ、髭をたくわえた。そして教え子のお父さんが芸術写真家だったのだが、厚かましく私の顔写真を撮ってもらった。それは本来の自分以上に貫禄のある人物となっていた。

 

朝刊にチラシが入った日、塾では電話が鳴り続けた。1台の電話しかなく説明会の予約やら問い合わせやら用件を済ませるとすぐに次の電話がかかってきたのだ。まさにてんやわんや。件数としては学習部門と理科実験部門とおよそ半々であった。しかし、私単独で広告しても反応は半分もいかなかっただろう。カバゴン効果絶大であった。

 

 

 

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カバゴン その1

 

教育評論家の阿部進氏が8月10日に亡くなった。享年87歳。“カバゴン”の愛称で60年代後半からテレビ・ラジオに多く出演されていたので世代によっては覚えている方もおられるのではないだろうか。

 

その阿部進氏と育星舎の関係は長い。育星舎の一部門である理科実験教室「科学の学校」は東京にある阿部進主宰の理科実験教室「麻布科学実験教室」の姉妹校として約30年前にできたのである。

 

1983年、私は京都の御室仁和寺の近くで学習塾を始めた。お金もなく、人脈もなかったので立地条件の悪い民家の2階部分が最初の教室である。塾だけでは生活できなかったので午前中は他のアルバイトをしながらという状態がしばらく続いた。なかなか生徒数が増えない時期もあったが、数年後徐々に軌道に乗ってきた。教室に生徒が収まりきらなくなったので、近所のビルの一室をさらに分教室として借りるまでになった。ところが、ある事情で2年足らずで分教室を明け渡さざるを得なくなった。

 

そんな時、「理科実験教室をやってみませんか」という誘いのダイレクトメールが届いた。どうせなら分教室問題を機会に塾を大きくしたいと考えていた私は理科実験教室の説明会に出かけた。そこで出会ったのが阿部進氏である。先生はシャボン玉の実験をいくつかしてくれた。それは子供のお遊びのようにもみえた。多数参加した学習塾の関係者はしらけた様子であったが、先生はそんなことは一向に気にせず実験の楽しさを一生懸命伝えようとしていた。提携したのは結局育星舎だけだった。

 

私は、父の助けを借りて銀行から融資を受け大きな勝負に出た。好立地の大通りに面したビルの広いそれもコンクリートむき出しのスケルトン状態の2階全体を新本部教室として借りた。家賃も驚くほど高い。70名前後だった生徒数が実験教室以外の学習部門だけでも一挙に120名以上に増えないと採算が合わない。今から思えば無謀としか言いようがない行動だった。

 

 

 

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説明会 その7

 

入江塾の特色の各論6つめは、学習環境が良いということ。入江塾のある育星舎北野学舎第一教場は元幼稚園で一見して塾とは思えない。体験授業で来て、この雰囲気が気に入り即入塾を決めた女子生徒もいた。

 

その幼稚園は隣にある洛西教会というプロテスタントのキリスト教会の附属として運営されていた。歴史は古く全盛期は300名程の園児がいたそうだが、送迎バスを使わなかったこともあり、生徒数が減っていき閉園になった。最後の園児の中に私の息子もいた。

 

建物は鉄筋2階建てで、両端2か所に避難出口としてかわいいスベリ台がついている。借りているのは2階部分だが、欄干がある廊下は開放的だ。そこは面談室や休憩室などを増設して以前より狭くなっているものの、広々としていて生徒達の憩いの場だ。園庭は今はガレージとして使われているが、桜の木やミカンの木などが植えられており自然が残っている。

 

小6生は全員この教室で学習する。春期、夏期、冬期の各講習には小4、小5生も全員ここに集まる。この環境ならば長時間勉強しても大丈夫。

 

街中のビルの一室で小学生に何時間も受験勉強をさせるのは自分としては忍びない。

 

 

 

 

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説明会 その6

 

入江塾の特色の各論5つめは保護者の質が高いということ。入江塾の指導理念に三位一体論というものがある。簡単に言えば生徒、保護者、入江塾のそれぞれの協力関係を構築するというものである。保護者から見た2つの関係、すなわち、生徒との親子としての連帯関係、入江塾との信託関係がしっかりできていなければ受験指導の成果は上がらない。極端に言えば社会的信用のない親とは共に受験教育をすることはできない。

 

社会的信用といえば代表的なものが金銭関係である。以前の私はその点、問題があった。塾を始めた頃、中古車をローンで購入した。月末の27日に毎月引落としがあったのだが、経済的に苦しい時期だったので真剣さがなく毎回のように翌月払いになっていた。私自身は返済はしていると甘く思っていたのだが、担当者から「不渡り」などと厳しく言われた。ある時、新たなローンを申し込んだところ審査で拒否された。ブラックリストに載っていたのである。私にとっては人生での大きな汚点である。

 

私は生徒達にそのような経験をしてほしくない。約束したことは実行してほしい。学習における課題も宿題もしっかりやってくることは将来の社会的信用にもつながると考えている。

 

数年前、他の塾の事情を知って保護者層の違いを感じた。そこは1000名近い生徒を擁する塾なのだが、月謝の無断遅滞が300万円程あるというのである。私の塾ではそういうことは皆無に近いので驚いた。生徒が対象という学習塾の業態上、月謝の集金は大変難しいとは同業者から聞いていたがここまでとは思わなかった。

 

良い保護者が私の塾には多くおられることに感謝している。それは生徒の指導の上で大変な力になっている。

 

 

 

 

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説明会 その5

 

入江塾の特色の各論4つめは生徒が少人数であるということ。少人数制をうたっている塾の中には生徒が集まらないので結果的に少人数という場合もある。入江塾の場合は、教室の大きさから物理的に人数に限界がある。

 

私は30年程前、個人塾からスタートした。個人で指導できるのはせいぜい70名程度と言われている。100名ぐらいになると悩ましい問題が起こる。一方、専任講師(社員)を雇うべきかどうか、すなわち他人の生活を保障するだけ生徒数、収入を増やしていけるかどうか。他方、自分がやってきた指導内容と同質のものを生徒に提供できるかどうか。

 

私が考え出したのは各部門、教場で独立して塾運営をしていってもらうこと。運営に関して自己責任の塾長がアメーバのように増えていけばそれでよいと割り切ってしまうこと。それが育星舎グループのできた背景だ。

 

だから育星舎グループの一部門である入江塾は塾としては少人数である。育星舎全体からすれば面倒見がよいこじんまりした塾である。

 

特に中学受験の最終学年である小6生がまとまるためには人数が多すぎてはいけない。当然、大規模塾にはそれがない。入江塾のこの良さを根気よくアピールしていきたい。

 

 

 

 

 

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説明会 その4

 

入江塾の特色の各論3つめは、講師の層が厚いということ。年令でいくと還暦を過ぎた私より少し上の先生 から各世代にまたがり、今春入社した講師は27歳。ベテランという意味では年令が高い方が良いかもしれないが、生徒との感性の近さでは若さも重要だ。また特に算数などの難問に対しては私よりも若い講師の方が処理能力が高くなっている。それぞれの年令に応じた良さ、それを生徒達に対し発揮しているといってよい。

 

入江塾には女性講師も多い。合格体験記によく出てくるS先生とY先生は女性である。効果的な声かけやスキンシップはその特権を生かしており、男性の私から見れば羨ましいかぎりだ。

 

最近は売り手市場なのか講師募集をしてもなかなか集まらない。こんな時に無理に生徒数や教室数を増やそうとしてはいけないと思っている。しかし、この時とばかり教室展開をしている大手塾がある。業界内で聞こえてくるのは悪いうわさ。講師の質の悪さを教材やシステムでごまかしている、講師がころころ変わる退職者が多いブラック企業であるなどなど。

 

先日も中学1年になった元入江塾の女の子達が大挙して来塾した。S先生、Y先生などと賑やかに話していた。「おい、授業中に来るなよ!」と言いたかったが。

 

「あの懐かしい先生が今もいる」そんな入江塾でありたい。

 

 

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説明会 その3

 

入江塾の特色の各論2つめは、競争を煽って受験指導はしないということ。もちろん本番入試では合格者という勝者と不合格者という敗者が出る。勝負がある限りそこに競争は存在する。しかし、過剰な競争意識は不安を生み出し、成績向上を阻害し他者を排斥する。

 

模擬テストの偏差値は自分の学力が集団の中でどのような位置にあるのかを知るためのものである。そこで自分の不足や欠点を見つければいい。自分より成績の良い子がいればその違いの原因を見つけ、それにどう対処すればよいかを考えればいい。偏差値もライバルも自分を見つめ直すためのものである。

 

塾によってはその時その時の成績によってクラスや座席を変えていくところがある。生徒、保護者はそれに一喜一憂する。指導する側にとってはその方が都合よい。危機感から生徒を頑張らせ、成績が悪ければ本人の責任にできる。そして、難関校合格者多数名を広告し、転塾条件を良くして成績優秀者をさらに集める。これらがうまく噛み合って好循環を起こせば塾の業績が伸びる。その陰で競争に疲れ敗れた者達は消えていく。劣等意識をもってしまえばまず復活することは難しい。入江塾ではそのような生徒を1人でも出したくないと思い、ここまできた。

 

以前大手塾で偏差値30台の成績の子が入江塾に移って来た。小学校5年で学力の要である国語力は低学年レベルだった。本当に驚き、スタッフはまさに危機感を持たざるを得なかった。しかし本人の能力、頑張りもあり中堅進学校に合格した。今、高校生の彼は医師を目指すという。

 

競争原理を使わない入江塾。好奇心、夢、使命感を持った生徒達の集まりの中で奇跡は起こるのである。

 

 

 

 

 

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説明会 その2


「楽しい中学受験生活が送れる」これが入江塾の特色の総論だとすると各論は何か。まず生徒に必要以上の受験勉強を無理にさせないということ。これは数十年受験生をみてきたプロとしての結論。

 

受験のための学習は多くの量、多くの時間をそれにあてればよいというものではない。ある意味「受験勉強は必要悪である」と考えられる面もある。とすれば苦痛は少なければ少ないほどよい。灘中学を筆頭に難関校合格者数を競う大手塾では「質より量で勝負」の世界だからそれは言わない。

 

多くの保護者は誤った情報に接し、より多くの、より難しい問題をしなければと不安になる。生徒は過剰な負担に苦しみ、少なからず途中で挫折する。挫折はせずとも多くが所期の目的を達せず受験勉強の辛さのみを経験する。もちろん一部の上位層は他の塾でも出せたであろう結果を出す。…それは極論かもしれないが。

 

入江塾では6年生でも習い事をしている生徒がいる。必須の授業時間が少ないのでそれが可能なのだが、相談があればさらに協力もする。好きな事を無理に辞めさせても受験に集中するとは限らない。別の事をしているから受験勉強の効率が上がることもある。

 

中学生になる前に大量の課題を与えられ、疲れ果てては元も子もない。これから学問のおもしろさを知らなければならない、そんな時期なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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説明会 その1

入江塾の入塾説明会、新小6の保護者説明会を行うのはこの時期。そこで強調するのが他にはない入江塾の独自色だ。普通の中学受験と変わらないなら、わざわざ遠くから来てもらうことはないだろう。

 

まずは入江塾という集団の強さを説明したい。と言えばそれと対極、塾に通わないでの中学受験もある。受験指導を親や家庭教師が担当するというもの。ドラマにもなっている「下剋上受験」は父親が学習指導をしたらしい。入江塾はこのタイプと一線を画する。1:1の個別指導塾も同様だ。すなわち集団指導でないと成り立たないということだ。

 

先日、入江塾の生徒の会話を聞いた。「学校と塾、どっちが楽しい?」「塾」「私もそうや」というもの。この「楽しい」というのは生徒どうしの連帯感が大きく係わっている。それに講師が加わり一層効果が増すのである。

 

成績によってクラス分けをしたり、大量の宿題を課して生徒・保護者を煽り自塾の実績を上げようとする大手塾では、同じ集団であってもこのような雰囲気は出てこない。ノルマを負う講師が「安心」を生徒に与えることはできない。講師も生徒も追いつめられていないからこそ楽しい時間が生まれる。入江塾の小6最後の授業、女子生徒の中には別れを惜しんで泣き出す者もいる。

 

楽しい受験をして第一志望に合格できる。本当にそんなことができるのか、それは体験してみなければわからない・・・。いや、信じてほしい。

 

 

 

 

 

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正月

入江塾に正月休みはなかったし、今もない。何も正月特訓などという大げさなものではなく、通常通りという感覚でやっている。中学入試目前なので生徒(小6生だけ)も正月気分はなく過去問などを真剣に解いている。

 

以前、年末年始は講師に遠慮して私1人で生徒をみていた。生徒数も少なかったのでできたのだが、最近は講師達が積極的に交替で担当してくれるので私自身はとても楽になった。

 

1月1日は元旦なので特別なことをする。1人1人に500円を渡し北野神社に行く。合格祈願のお参りというよりも屋台を見てまわるお楽しみが主である。人混みの中に行くのでマスクなどは必ずつけるように、変な食べ物は買わないように注意する。そしてはぐれないようにグループで行動させる。私達講師にとっては気の使う疲れる行事だが、生徒達は大変喜ぶ。

 

20年程前はお金を渡す時、「合」のハンコを押したポチ袋に入れていた。それをAくんは中学入試が終わっても大切に保管していた。京大法学部に合格するまで開けないということだった。彼は中学・高校と優秀な成績で進み見事それを成し遂げた。そして、今検事として活躍している。

 

「入江塾の正月は楽しかった。中学受験は苦しいものではなく楽しいものだ」そんなことを体験してほしいと思って正月も塾を開けている。

 

 

 

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